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つくば市の取組

第14回 教育とSDGs(2021年7月31日)

第14回 教育とSDGs

第14回の講座は、2021年7月31日(土)18時からオンライン(YouTube Live)で開催しました。
講演いただいたのは、石森広美(いしもり ひろみ)先生です。

石森先生は、宮城県仙台二華高等学校教諭、東北学院大学非常勤講師、日本国際理解教育学会理事、日本グローバル教育学会理事などを務めておられ、SDGsに関連した幅広い活動をなさっています。
石森先生には「教育とSDGs」をテーマにご講演いただきました。

司会進行は、筑波大学生命環境系教授の田村憲司先生です。
以下、石森先生の講演の抜粋です。

「持続可能なまちづくり」ってどういうこと?

初めて講座に参加する方が多かったこともあり、まず最初に「持続可能なまちづくり」とはどういう意味か受講者の皆さんと考える時間がとられました。

クリーンエネルギーなど「環境」の文脈で語られることの多い「持続可能性」という言葉ですが、実際にはもっと多義的です。
人権、平和、経済成長、生活、コミュニティ、文化などなど・・・あらゆる点で持続可能性は重要であり、多面的に捉えるべき言葉です。持続可能な世界とは、シンプルに言い換えると「みんながハッピーになれる世界」と言えるのかもしれません。

そのような世界を実現するためにも、地球市民としての資質・能力(グローバル・シティズンシップ)が問われてきます。
職場・地域・家庭など様々なレベルや立場において、地球市民として実際にアクションを起こし、世界を変革する力を身に着けていくことが非常に重要になります。

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石森広美先生(講師、宮城県仙台二華高等学校教諭ほか)

Quality Education 質の高い教育をみんなに

日本では義務教育がほぼ100%普及しており、質の高い教育がすでに達成されていると思われる方も多いと思います。
しかし、大人になった後の生涯学習の機会の確保が不十分であったり、学校教員への過大な負担、コロナ禍におけるオンライン授業への対応の遅れなど、まだまだ日本にも課題は山積しています。

ゴール4「質の高い教育をみんなに」のターゲットを見ると、国籍・性別・宗教・地域による教育格差の問題や、教育を受けられなかったことによる負の連鎖といった世界的な課題を読み取ることができ、これらを日本の身近な課題に引き寄せてこどもたちに考えさせることもできるのではないでしょうか。

このように教育という観点からみると、SDGsはこれまで人権教育、環境教育、平和教育・・・のように別個に捉えていた教育課題をわかりやすく構造化する役割を果たしてくれているといえます。

課題を理解しただけでは解決したことにはなりません。
SDGsはそれぞれのゴール同士が複雑に絡み合っており、1つのゴールを解決するために、他のさまざまなゴールの視点から対策を講じる必要があります。

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課題は相互に複雑に絡み合っている...

グローバルイシューを考える授業

課題が大きかったり複雑だったりすると、どうしても自分事として捉えることは難しいです。
しかし、みんなが他人事と捉えていると世界の分断はどんどん進んでしまいます。

そこで、あえて全体像の把握が難しいグローバルイシュー(地球規模の課題)について考えることで、想像力や共感力を養い、自分とは縁遠い課題についても当事者意識をもって考える(他人事を自分事に置き換える)授業を石森先生は実践されました。

このような授業を通して、学生の問題解決を行う原動力や意欲を育まれています。実際には自分の問題にはなっていなくても、その問題に困っている人の立場や気持ちを想像し、一緒に解決していこうと一歩を踏み出せるかどうかが重要なのです。

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終わりに

今回の講座の事前申込は70名を超え、つくば市の皆さんのSDGsへの関心や理解がより高まっていると感じました。
昨年からの新型コロナの問題にも触れられており、新型コロナによって児童の教育環境(学力低下など)にとどまらず、その生活環境(家庭内暴力、児童労働など)にまで大きな影響があったことが分かりました。

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせはつくば市役所 政策イノベーション部 持続可能都市戦略室です。

〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1

電話番号:029-883-1111

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